国の政治の場でも、同じことである。
各省がタテ割りになっていて、総理大臣がこうやろうといっても、省庁の反対に遭えば、結局、もみくちゃにされ、最終的には霧散してしまうことが改革というものは、必ず誰かにある程度の痛みが伴うものだ。
全体としてはプラスながら、特定の人にはちょっと我慢してもらわなければならないことがある。
それを許容しなければ、何も起こらない。
現状の「学部自治」のままだと、コーポレートならぬ「カレッジ・ガバナンス」が全然機能しないわけで、戦略的・総合的意思決定は望むべくもない。
以上、大学改革のむずかしさとその必要性を説いてきたが、その問題とここのテーマであるeエコノミーとの関係に触れておこう。
大学の改革には厚い壁がある。
とはいえ、eエコノミーの進展の面から、変化が促進される面があると思う。
たとえば、各大学に衛星放送でつながったクラスルームがあれば、そこで世界的に有名な教授の講義をLIVEで聴くこともできる。
場合によっては、生徒から質問し、それに答えてもらうインタラクティブな授業すら可能である。
そうなると、各大学に大勢の教授を配置しておかないで、ネットを通じて行われた講義のうまい教授の授業をべースに、若手の先生が、ディスカッションのリード役を各クラスいだろう。
性々にしてあるが、大学も同じである。
何かおもしろい改革案があった場合、それが誰にとっても支障のないものであれば実現するが、そんなものは実現しても改革の名に値しなルームで担当するというスタイルに変わるかもしれない。
日本では今後、少子化が進み、生徒の数が減少し、学校間の競争も激化してくる。
右にあげたようなネットワークを活用した授業も取り入れて、常に最高の教育が受けられる環境を提供しなければ、生き残れなくなるだろう。
極端にいえば、それは学校である必要はないのかもしれない。
みな自宅にいて授業を受けられるということも十分考えられる。
授業に関しては、最高級の先生の授業をネット上で、いわば〃公共財〃として提供してもらえば十分である。
ただ残る問題は、授業のインタラクティブな側面を、どう実現するかである。
ネットワークでつながっているので、先生が生徒からの質問に答えるという授業は、技術的には可能である。
としても、全国を相手に授業をし、全国から質問がきたら答えきれない。
どうしても教室での対応が必要になる。
結局、新しいコンセプトで教育を見直していくことになるが、その際、各大学の特徴、校風、比較優位を何で測ったらいいのか。
その答えは、ネット上で基礎的な分野の授業を受け、その上でインタラクティブな授業を担当する熱意溢れる教師が、生徒と接触し、何か新しいものを創造していける場を提供できるかどうかで決まると考える。
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